ソニックブームっていったいどんなもの?原理なども併せて解説!
皆さんは、ソニックブームという言葉をご存知でしょうか。軍事関係の方やそれに関して詳しい方、または物理が好きな方、得意な方は聞いたことがあったり、実際に研究したりしているような人もいるかもしれません。
では、ソニックブームというのはいったいどういうものなのでしょうか。物理に関係するとしたら、どのような原理で起こる者なのでしょうか。今回はそれらについて解説します。
ソニックブームとはいったい何?
ソニックブームとは、主に軍事関係の人に関連する物理現象の一つです。戦闘機などが飛行する際の速度は音速と同じかそれ以上になります。その際に発生する衝撃波が生み出す大音響の事をソニックブームといいます。音の大きさはかなりのもので、空で音速以上の戦闘機が通過した際には、地上では雷のような爆発音になります。時には地上の窓ガラスを割るほどの破壊力になったりするので、危険であるともいえるでしょう。
また、戦闘機などの機体だけがソニックブームを引き起こすわけではなく、2013年、かなり最近の事なのですがその年にはロシアで発生した隕石の落下による災害の原因は、ソニックブームでした。隕石の通過と爆発で発生したのです。
ソニックブームによる轟音や衝撃波は原因不明として扱われることが多いのです。なぜなら、地上でソニックブームを感じてから空を見ても、ソニックブームを出した原因である機体はもう見えなくなっています。
機体は音速を超えるような速度で移動することによってソニックブームを発生させるので、聞こえるころには発生した場所からかなり離れています。とんでもない音が聞こえたので上空を見る、しかしそこには何もない、このような状況になるため原因不明として扱われるのです。
そしてソニックブームをただのうるさい音であると楽観視しているのはだめなようで、理論上は可能である超音速旅客機、超音速輸送機の実用化を邪魔しているものの一つがソニックブームになっています。
超音速輸送機はその名の通り音速を超えるような速度で飛行し、人や荷物を運ぶ航空機の事です。今のところ飛行している超音速輸送機はありませんが、2003年までには「コンコルド」という旅客機が超音速輸送をしていました。
コンコルドは通常よりも長い滑走距離が必要で合ったり、ソニックブームを避けるために航路や乗り入れ先を選び限られた道しか飛ぶことができなかったりといくつかデメリットがありました。それに加え、飛行距離も短く大西洋は飛び越せても太平洋は超えられず、音速を超えて飛ぶためには燃費が悪いなどの理由もありました。そのため、2003年10月ごろには営業飛行を終了しています。
ソニックブームはどういう原理?
では、そのソニックブームはどういう原理で起こるのでしょうか。まず、機体が静止していて音を出していると仮定したとき、その音は気体の中心から球状に広がっていきます。そして、実際にはその機体は音速を超えるような速度で移動しているため、球状に広がるよりも早く機体は移動していると考えることができます。
それを連続で行っていると考えた時、音の波の形全体は機体を頂点とした塩水に近い形になります。これが大まかなソニックブームの解説です。この音の波が地上に達することで轟音として伝わるのです。
ソニックブームの研究はまだ続いている
ソニックブームを起こすほどの速さを持つ機体はもう終了していますが、最近の研究では機体形状などを工夫することで、音速を超えるような速度でもソニックブームを出さない機体が考えられています。実際に、戦闘機を改造した実験機によって試験をしたところ、ソニックブームの減少がみられた例もあります。
もしかしたら近い未来、ソニックブームが少ないのにもかかわらず音速を超えるような、かつ人間が大人数乗れるような期待が開発されるかもしれません。