ヘルタースケルター漫画版の結末・ラストシーンは?

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『ヘルタースケルター』漫画版のラストはどうなるの!? ほんとに未完?

2019年11月17日

ヘルタースケルター漫画版の結末はどうなる?

沢尻エリカさんが主演された同名映画『ヘルタースケルター』の原作。

私は映画は観ていないのですが、先日の逮捕劇を受けてもう一度漫画を読んだらやっぱり強烈すぎてこれから映画を見ようと思っています。

さて今回の記事では漫画『へルタースケルター』のラストがどうなるのか、これから読みたいという方の楽しみを削ぎすぎない程度に書いていきたいと思います。

 

漫画は未完…かどうかははっきりとわかりません

先に結末から言います。

ある意味すごく意味深にも見えるのですが、漫画のラストシーンは加速度を増して崩れ行く主人公・りりこのネクストステージ? 的に「To be continued」で終わっているんですよね。

 

昔読んだ時には「ああ、この作品は続く予定だったのかな」と思っていたのですが

今読み返してみたら「もしかしてこれは作者としてはある意味の結末を迎えていて、作品として『続く』を意味していたのではなくてタイガー・リリィの人生は続く(でも読者のご想像にお任せしますね。終わり」と〆られたものなのかな? というように感じました。

 

どんな作品? あらすじをざっくり

元々太っていて醜かったけれどママと呼ぶ社長との出会いから全身整形。
芸能界でトップスターに上り詰めた。

 

しかし輝くような日々は短く、整形の後遺症に悩まされ、自我はどんどん崩壊していく。

メンテナンスなしでは保てない外見もどんどん崩れる速度は加速化。

それでもやめられない美への追及。

 

転がり落ちるように狂気への闇へと突き進む。

 

整形外科医失脚後りりこはどうなったのか? というところで物語は一応の結末を迎えています。

伝えたかったものは何か? 私の感想

ひとことでいうと「狂ってる。」

 

 

正直読んでてイライラするし、苦しい。

もうやめたい、でも先が気になる…

 

…でも、ほんとうに他人事だと思うかい?

と問われるような怖さがある。

 

誰もが普通に持っている欲と隣り合わせの狂気。

 

 

この物語は多くの闇から構成されています。

光は…ほんのすこし照らすのか…? と匂わせて終わる結末。

 

 

全身整形で作られた女王・りりこの闇。

 

りりこの葛藤、心身の苦しみ、悲しみ、孤独、苛立ち。

生まれつき美しい後輩モデルへの妬み嫉み憎しみ、
りりこをかつて若くて美しかった頃の自分そっくりに整形させた社長の心の闇

マネージャーの心の闇

マネージャーの彼氏の心の闇

昔のりりこそっくりな実の妹の心の闇

悪どい手法で金を生み出す整形外科医の心の闇

 

 

登場人物のすべての闇が

作者・岡崎京子さんの境遇、もう筆を執ることができない鬼才の人生を相まってすごく苦しい。

 

魂を削って生み出したようなそんな作品。

 

 

刹那

とかそんなことが頭をぐるぐるぐるぐるめぐります。

 

昨今では芸能人が整形を公表するのは別に珍しいことではなくなっています。

でもこの作品が描かれた時代はもっとアイドルは雲の上のような存在で、「作られた」ものだと宣言することがタブー視されていた、そんな時代だったはず。

 

人の道を踏み外しても人より美しくなりたい

誰よりも成功したい

外側だけの美や成功への執着と渇望が狂気へと駆り立てる。

 

そんな闇の中にほんの少しだけ光るマネージャーカップルの検診や妹のりりこに対するピュアな愛。

そこを作者はもしかしたらクローズアップしたかったのかもしれない。

 

作者・岡崎京子さんが遭われた不慮の事故によりもう彼女の新しい作品を読むこともできなければ

ヘルタースケルターで意図した本当のところを知ることはできないかもしれません。

 

でもこの作品を読むごとに「人間」へのいろいろな想いが垣間見える気がして、また私は読みたくなってしまうのでありました。

 

 

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